強度、量、インターバルの設定

負荷8~10回の反復が限界となる重量筋トレプログラムにおいて、その効果を左右するのが、

トレーニング変数(強度、量、セット間インターバル)の設定です。

変数の数値が適切であれば効果は大きくなり、適切でなければ十分な効果は得られません。

多くの研究報告をまとめたレビューによれば、筋トレは、8~10回の反復が限界となる重さで行うと、

最も筋肥大効果が表れるとされています(8-10RM:RepetitionMaximumの略)。これは反復できる最大重量の約75~80%に相当する重さであり、

このレベルの負荷に設定することが筋トレの基本となります。30回や50回も反復できる軽い負荷で筋トレを行っても、

ただ疲れるだけで効果は小さく、効率的ではありません。やや重めの負荷で低数回行う方が、効率よく効果が得られます。

しかし、負荷が重すぎて反復回数が極端に少なくなっても、筋肥大効果は上がりません。

なぜなら、数回程度のわずかな回数では、トレーニングにおける運動量が不十分となるからです。

超高重量(4RM以下)の主たる効果は筋力向上といわれていますが、これは挙上技術など神経系の適応によるもので、伸びしろは大きくありません。

筋肥大による大幅な筋力向上を目指すなら、8-10RM程度で行うのが基本となります。

回数基本は〝限界まで〟

回数については、前述のように、8~10回の反復が限界となる負荷を、限界まで反復することが基本となります。

限界まで追い込まなかった場合は、効果も下がることが分かっています。

毎セット限界まで行うのが最も効果的ですが、最後のセットでちょうど限界が来るように調節しても良いでしょう。

十分な筋トレ効果を上げるためには、最終的に何らかの形で限界まで追い込む必要があるのです。

ジムなどで、最初から回数を決めて、余力を残したまま筋トレを終えてしまう人をよく見かけます。

しかし、10回の反復を行っても余力がある場合、それは最適な負荷とはいえません。

筋トレのプログラムを作成するうえで重視するのは、回数ではなく、〝限界〟です。

セット数

2~5セット前後

筋トレは1セット行うより、複数のセットを行う方が、高い筋肥大効果が得られます。

しかし、「Krieger2010」のレビューによると、2~3セット行った場合と4~5セット行った場合では、筋肥大効果に大きな差はありません。

ただし、このレビューは概ね筋トレ初心者を対象に行った実験の結果であり、経験を積み、筋トレの刺激に慣れた中上級者であれば、

4~5セット行う方が効果は高いと考えられます。

以上のことから総合的に判断すると、標準的なセット数の目安は、初心者であれば1種目当たり2~3セットとし、

慣れてきたらもう少しセット数を増やすか(トータル4~5セットまで)、同じ筋肉を別の角度から刺激するバリエーション種目を追加 (+1~2種目を2~3セットずつ)して行うのが効果的であるといえそうです。

インターバル

セット間は1~3分程度

筋肥大の効果を考えると、筋トレにおけるセット間のインターバルは、やや短めの1~3分程度が最も効果的です。

なぜなら筋肥大を誘発する代謝物の蓄積やホルモン分泌応答は、短めのインターバルの方が大きくなるからです。

1分間のインターバルと3分間のインターバルで成長ホルモンの分泌を比較した研究によると、両者には大きな差が認められています。

ただし、短すぎるインターバルでは回復が追いつかず、トレーニングの強度そのものが落ちてしまうので、気を付けましょう。

※セット間インターバルは、アームカールなど小筋群の単関節種目なら1分程度、その他の多関節種目は2~3分程度、スクワットなど全身的な疲労が大きい一部の種目は3分強のインターバルで行うのがおおよそのベストと考えられる各種目の組み合わせと頻度になります。

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